考察『NOPEノープ』なぜ空を見たらダメなのか、それを見なければ助かるのかネタバレあり解説

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ジョーダンピール監督による長編作品第3弾『NOPE ノープ』。

ジョーダンピール作品らしく、隠喩が多くて納得しきれない描写があったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

特に予告動画から疑問だった「なぜ空をみてはいけないのか」。

これが本記事での問題提起になります。

劇場で映画を鑑賞し、パンフレットを読みこんでようやく答えが出せたので、かきかきさせていただきますね…。

いやはやこの映画、一筋縄ではいきませんぞ…

本記事では、

・『NOPE ノープ』ではなぜ空を見上げてはいけないのか

・それをみなければ助かる理由とは何か

以上について記載していきます。

尚、本記事には映画のネタバレがございます。

ネタバレを踏みたくない方はここでブラウザを閉じて自衛してください!

よろしくお願いします!


目次

『NOPE ノープ』ではなぜ空を見上げてはいけないのか

映画『NOPE』の予告動画では、人々は空を見上げてはいけないというキャッチフレーズが流れます。

これは主人公のOJが、空から飛来する未確認生命体を人々が目でみて確認することで吸い込まれ食い殺されることに気づいたため、OJが周りの人間に対して注意する言葉です。

実際、未確認生命体は自身に視線を送ってきた相手を吸い込み捕食するという特殊な習性があり、逆にこの習性を利用する形で主人公たちは未確認生命体を視認しないことで生き延びようと奮闘するわけです。

空をみてはいけないといわれる理由は、空をみる=それ(未確認生命体)を目でとらえてしまう可能性があり、もし見てしまった場合、それに捕食されてしまうからです。

それをみなければ助かる理由とは何か

捕食対象がこっちをみていなければ見逃してやるというのは、正直生物としてよくわからない習性ではないでしょうか。

恐竜映画でよくある「動かなければ相手が自分を視認できないため捕食されない」であったり、音におびき寄せられる習性がある敵の前で音を出してはならないなど、映画ではさまざまな「○○してはいけない」という手法が使われてきました。

しかし本作では、その「○○してはいけない」が、「それをみてはいけない、目を合わせてはいけない」という形になっています。

敵側からすれば相手にみられていなければ手を出さないということですね…動いていてもみられていなければ無視です。

有名なホラー映画である『IT』でも、それをみたら終わりというフレーズが使われ、ペニーワイズ(最悪)を目撃することで殺されるという内容になっていましたが、あれはみたらというよりエンカウントしたらといった形であって『NOPEノープ』のそれとは性質が違います。

そもそもこの映画の冒頭では旧約聖書であるナホム書の1節が引用されるのですが、その引用文に答えがあるようです。

映画冒頭で引用されたのはナホム書3章6節の「私は汚らわしいものをあなたに投げかけ、あなたを辱め、見世物にする」といったフレーズ。

この1節は、映画内で描かれる「消費され続ける存在」のことを暗喩しており、劇中では見世物としてテレビ番組に出ていたチンパンジーが暴れ出し、次々に人を手にかける描写がされます。

このチンパンジーの事件は、見世物として一方的に人間に利用され、消費され続けてきた存在(チンパンジー)がある日突然キレて、自分を消費してきた人間に歯向かったといった内容になっており、一見全く関係のない話が映画に挿入されているように感じられるのですが、これが本作では未確認生命体に当てはまっているものと考えられます。

本作では見世物として消費され続けてきた存在が思わぬ反撃をしてくるという劇が描かれており、未確認生命体は人々によって見世物として消費されそうになったところを逆に食い殺すといった構図で描かれます。

かなり斬新というか…一度見ただけでナホム書から読み取るのは難しい内容になっているのでチンパンジーの話って何とつながってるの?となってしまった方も多いのではないかと思います…私もそうだったので答えが書いてあるだろうパンフレット熟読しました…。

極々簡単に説明してしまうと、未確認生命体は自分を奇異の目でみてくる人間はむかつくから捕食して葬ってやる!こっちを見てこないやつはまぁ見逃してやる!といった感じでしょうか…

かなり簡単に説明してしまいましたが、本作の敵は現代社会の闇の暗喩(この記載について詳しくはネタバレ記事で解説しています)として描かれているため、見られていなければ相手を捕食しない(獲物側からすれば相手を見世物として奇異の目でみなければ助かるという謎設定に落ち着いたみたいです。

正直未確認生命体の視点から見たら相手に見られてないから襲わないというのは生き物として意味わかんないですけどね…観客に伝えたいことをUFOありきで映画にしたら少し矛盾が生まれましたってことなのでしょうか…

王道映画が大好きな自分としてはちょっと暗喩が多くて釈然とせず理解しきれずパンフレット頼みでしたが…これはこれで考察好きな方にはぶっささる良作映画なのだと思います。

パンフレットを読みこんで解釈すると上記のような形になるのですが、もしこういうとらえ方もあるのでは?という方はお問い合わせからご教示いただけたら幸いです。

また、本記事の参考になったパンフレットの内容を詳しく知りたい!という方はぜひ劇場で購入されてみてくださいね!

『NOPE ノープ』予告動画+あらすじ

予告動画

あらすじ

「ゲット・アウト」「アス」で高い評価を受けるジョーダン・ピールの長編監督第3作。広大な田舎町の空に突如現れた不気味な飛行物体をめぐり、謎の解明のため動画撮影を試みる兄妹がたどる運命を描いた。

田舎町で広大な敷地の牧場を経営し、生計を立てているヘイウッド家。ある日、長男OJが家業をサボって町に繰り出す妹エメラルドにうんざりしていたところ、突然空から異物が降り注いでくる。その謎の現象が止んだかと思うと、直前まで会話していた父親が息絶えていた。長男は、父親の不可解な死の直前に、雲に覆われた巨大な飛行物体のようなものを目撃したことを妹に明かす。兄妹はその飛行物体の存在を収めた動画を撮影すればネットでバズるはずだと、飛行物体の撮影に挑むが、そんな彼らに想像を絶する事態が待ち受けていた。

「ゲット・アウト」でもピール監督とタッグを組んだダニエル・カルーヤが兄OJ、「ハスラーズ」のキキ・パーマーが妹エメラルドを演じるほか、「ミナリ」のスティーブン・ユァンが共演。

(引用元サイト様:映画.com

キャストは誰? 配役についてまとめ

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以下、主要キャストについて記載します!

OJ・ヘイウッド:ダニエル・カルーヤ

エメラルド・ヘイウッド:キキ・パーマー

エンジェル・トーレス:ブランドン・ペレア

アントレス・ホレスト:マイケル・ウィンコット

リッキー・ジュープ・パク:スティーブン・ユァン

オーティス・ヘイウッド・シニア:キース・デビッド

豪華キャストが勢ぞろいしているので要チェック作品ですね!

まとめ

以上が映画『NOPE ノープ』でなぜ空を見あげてはならないのか、それをみなければどうして助かるのか、その理由についてまとめでした。

いかがだったでしょうか。

少しでも皆様のお役に立てるような情報が発信できていたら幸いです。

『NOPE ノープ』は『ゲットアウト』や『US(アス)』で知られる名監督「ジョーダン・ピール」による3作目の映画です。

ぜひ気になるなぁという方は鑑賞をご検討くださいませ。

ではでは、映画を観るぞー!という方も、いやぁやっぱり今はやめておこうかなぁという方も、良い映画ライフをお過ごしください!

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