【ネタバレ】映画『不能犯』は面白いの?原作と比較をしてみた

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松坂桃李さん主演の『不能犯』。原作として漫画が人気を博していますが、映画は面白いのか、ざっくりとはなりますが作品紹介からネタバレまでを一気にレビューしていきます。
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『不能犯』あらすじ+予告動画

「…愚かだね、人間は」

都会のど真ん中で、月々と起きる変死事件。
現場では、必ず黒スーツの男が目撃される。
男の名は宇相吹正(松坂桃李)
ある電話ボックスに殺してほしい理由と連絡先を残すと、
”願い”をかなえてくれる男だ。

ただし、依頼人の殺意が純粋でないと、恐ろしい事態を招くという。
さらに、ターゲットは確実に死に至るのだが、
その死因は病死や自殺に事故―—。

そう、宇相吹の犯行は、<見つめるだけで相手を死に追いやる>ため、
積み荷は問われない<不能犯>なのだ。果たして、その手口とは―—?

(http://funohan.jp/story.html「不能犯公式ホームページ」より引用)

【予告動画】

作品については上記の予告動画をみていただければ把握していただけるかと思います。

『不能犯』オススメ度

72/100

全体的にわかりやすくて面白いですが、情報量が多いのと描きたい伏線が多すぎて
回収するのに映画の尺が足りないと少し感じました。
漫画でゆっくり読むのと映像で観るのとではやはり違うようです。

漫画だとするりと入ってくるセリフ回しをそのまま映画に持ってきてしまっているので
違和感を覚える箇所も多々。。。

ただ、俳優陣はとても豪華なので松坂さんと沢尻さんのファンの方は十分楽しめるかと思います。

【キャスト】

「宇相吹正」(松坂桃李)

終始真顔かにやにやしている主人公。さすが松坂さんとだけあってかっこいいです。

「多田友子」(沢尻エリカ)

自分のことを恥じらいなく「美女」とぬかしてしまう刑事。えっぴにしか子の役はできないかもしれないです。

「百々瀬麻雄」(新田真剣佑)

とてもかっこいいですが全然活躍しないえっぴの後輩。いい俳優さんを使っているのにもったいないです。

「川端タケル」(間宮祥太朗)

えっぴが更生させた?元不良少年。絶対何か企んでると思っていたら案の定。。。間宮さんはいい味を出していて、

役柄からか棒読みのセリフがいくつかありますがそこがまた良いです。

「赤井芳樹」(テット・ワダ)

テットさん好きなのですが正直この映画ではあまり重要な役ではないです。えっぴの上司。

「若松亮平」(菅谷哲也)

菅谷さんイケメンだなぁと思ってみていたら中盤さらりとやられるのでファンの方は注意。

そのほかにもたくさんいらっしゃいますがここでは省略させていただきます。
キャスト詳しくは公式で(コチラ

以下、壮大なネタバレストーリー概要

※以下がネタバレありのため注意です※

ケース1ー金融会社社長木島ーストーリーについて

ある昼のカフェで携帯電話の相手に怒鳴りつける金融会社社長の「木島」。

その後ろを黒いスーツを着た男が通り、電話が終わったころに木島の前に立った。

木島に男は「スズメバチの毒」について唐突に話しかけるが、木島は男に食って掛かる。

男は木島が飲んでいた水にそばに備え付けられていたガムシロップを注ぎ入れ、

木島の顔に無造作にかけ、彼を激高させる。

立ち上がった木島に「知ってますか? その匂い、スズメバチがよく好むんですよ」と、

おもむろに取り出した袋からスズメバチが大量に入ったビンを取り出しふたを開けると

怯えた木島にふたから放たれたスズメバチが襲いかかり、彼は針に刺されて身もだえながら死んでしまう。

その様をみた後後ろに備え付けられたカメラに振り返った男は不気味な笑みを浮かべた。

原作ではわずか数ページのシーン。。。

のちにこの木島から金を借りた人が木島の殺人を男(=松坂桃李演じる宇相吹)に依頼したことが

わかりますが、冒頭のスズメバチのシーンは原作の漫画ではわずか数ページで終わります。

映画『不能犯』公式サイトではCASE1として区切られてはいるものの映画でもこのシーンは

ものの数分で木島がスズメバチに刺されて死んでしまいます。

原作とは言い回しや木島がスズメバチと思い込んだものが違いますが、大体原作に忠実です。

ケース2ー鳥森広志ーストーリーについて

幸せそうに暮らす男女に忍び寄る町内会会長「鳥森」。

ある日の夜、カーテンの隙間から鳥森が塀の外から自分たちの部屋を

覗き込んでいる鳥森を妻が見つけ、恐怖に震える。

妻が恐怖する姿に夫はどうにか策を講じようと考えながら仕事に向かい玄関を

出た。家を出てすぐそこにあるごみ置き場に鳥森の姿があり、

夫は自宅のごみをあさっていることに気づいて鳥森を怒鳴りつけるが、

鳥森は「今日は燃えるごみの日です。奥さんに社会のルールを守るよういいなさい!」と

ゴミ袋に入っていたペットボトルを手に怒鳴り返した。

夫は怒りをあらわにしながら仕事へ行くことになったが、仕事から帰ってくると

妻がソファの上で泣きじゃくっている。

理由を聞くと「鳥森が家に入ってきて乱暴をした」といったため、激高した夫は

鳥森の家に怒鳴りこみに行く。だが、鳥森は「いいんですか? 警察にいったら私、

全部話しちゃいますよ? そうしたら、奥さんも、全部話さなきゃいけなくなりますよ」

と乱暴をしたことを妻がすべて話さなきゃいけなくなると夫は思い、なにも言えなくなってしまう。

どうすることもできず、夫は電話ボックスの男(松坂桃李)に鳥森の殺害を依頼する。

依頼を受けた男は公園のベンチに座っていた鳥森に近づき、彼が探していた煙草を手渡す。

鳥森は「あぁ、悪いね」といって煙草を受け取り吸い出すが、目の前に立った男を不審に思い

「なにをじろじろ見る」と問いかける。そんな鳥森に

男はそんなものを吸っていいのかと聞くと、普通の煙草だったものが

真っ黒になっているのに鳥森は気づき苦しみだす。

手元にあった水を飲んで落ち着こうとした鳥森だったが、「いいんですか、そんなの飲んで」と

男が言った瞬間、水だったものが茶色い汚水に代わっていて鳥森は再度苦しみだし、その場に倒れ、

そのまま息絶えてしまう。

鳥森は気持ち悪いおっさんではなかった。

鳥森を殺した男は夫に依頼されたことを遂行したと伝え、鳥森がゴミ袋から盗んだものを

封筒にいれて夫に返した。

男が去った後、渡された封筒の中身をみた夫は驚いて出張の予定をキャンセルし、

自宅へ急いで帰った。

夫が家に入ると、中には薬漬けの女二人と上半身裸の男に肩を抱かれた妻の姿があった。

予定と違って帰ってきた夫に気づいた妻は「鳥森さんに薬をやっているところを見つかり、

乱暴されたと嘘をついてしまった」と夫に告げ、薬を一緒にやろうとさえ言い出す。

妻を弾き飛ばした夫を止めようとした男を夫は花瓶で殴りつけ殺してしまう。

さらに部屋にいた女二人を殺したところで包丁を持った妻に夫は刺されるが、

手に持った花瓶で妻を殴り殺してしまう。

腹を刺された夫は窓によりかかるようにして座り込み死ぬ。

上記の通り、夫は鳥森を妻のストーカーか何かだと勘違いしていましたが、

本当は妻が薬をやっていたことを知り、止めようとしていた近所のおじさんだったということです。
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夫が家に怒鳴りこんできたとき「すべて話さなければならなくなる」といったのは、

乱暴をされた全貌を話すのではなく、薬を使っていたことを話すことになるということ。

夫は勘違いして鳥森を殺してしまった上に、妻を殺し、自らも死んでしまったことになります。

『不能犯』全体で言えることですが、依頼人が勘違いして殺害を依頼してしまうことが多いです。

ケース3-夜目刑事ーストーリーについて

ケース2の現場を調べていた警察は現場に現れた宇相吹を任意同行する。

彼に事情聴取をしたのはベテラン刑事の「夜目」とサブ主人公である

多田刑事。

今までの事件をすべてやったのかと問い詰める夜目に対して宇相吹は

「ぼくはやってません」とだけ答える。

夜目はその言葉に動揺しだし、「ぼくはやってません」と繰り返す

宇相吹の姿が夜目が痴漢の現行犯で逮捕し、留置所の中で首つり自殺をしてしまった

男子高校生の姿に見え始める。

動揺する夜目に対して宇相吹が突然「あれ、虫がいますね」というと

多田には見えない虫が自分の袖から入っていくのを夜目は見てしまう。

「刺されたみたいですね、消毒しないと」といった宇相吹は夜目の手をべろりとなめ、

動揺を膨らませた夜目は事情聴取を終わらせてしまう。

なめられた夜目の右腕は見る見るうちに腫れ上がるが、毒物は検出されず、

不能犯であることが裏付けられるだけだった。

家に帰った夜目は公衆電話からかかってきた宇相吹からの電話に電話にでて、

自分は今夜死ぬという思い込みを加速させる。

私は死なないと念じながらバスタブに浸かる夜目だったが、なめられた右腕が

痛みだし、包帯をほどくと腫れ上がった患部が自殺した男子高生の顔に見えて近くにあった剃刀を左手に持ってしまう。

そのまま剃刀で患部を切りつけ顔を消した夜目だったが、バスタブに広がる血をみて

そのまま意識を失い事切れる。

痴漢をした男子高校生は上司の息子だった。

夜目の死は自殺として片づけられることになるが、

不能犯の仕業であることは警察内部でも認められつつあった。

死んだ夜目に対して不能犯の事情聴取に同席した多田は

絶対にあいつを止めて見せると意気込みをあらわにする。

シーンは変わり、不能犯がいる場所へ河津村が「お見事でした」

といって現れた。

夜目が過去に自殺に追い込んだ男子高生は上司である

河津村の息子だった。

うわべでは夜目を責めなかった河津村だったが、腹の底では

彼女を恨み、殺すように不能犯に依頼をしていたのだった。

うまくやってのけたことに対して「夜目の殺しを依頼しただけなんだから」と

河津村が口にしたところ、突然風景が警察署に代わり、同僚の前で

河津村は夜目の殺害依頼をしたと認めてしまう結果に終わる。

思い込みが強すぎませんか。

映画『不能犯』の醍醐味は思い込みです。が、

違う場所にいるように勘違いさせたりって本当にできるのか

思わず疑問に感じてしまいました。。。

それが面白いんじゃないかといわれればそれまでですが、

あまりにも思い込みが過ぎる気が……脱線しましたが

ストーリーの続きを書くのを再開します。

ケース4ー夢原理沙ーストーリーについて

「絶対に許さない! お願い、こいつをっ!」と、雑誌の一ページを握りしめ

不能犯に頼み込んだのは風俗で働く優。

両親の離婚が原因で母親に姉が、父親に優が引き取られ、別々の環境で育ったが、

優は父親の借金のため風俗で働く傍ら、姉である理沙はジュエリーデザイナーとなり

来月には医者と結婚することが約束されており、逆の人生を送ることになっていた。

ある日ある雑誌で姉である理沙が幸せにしていることを知った優は姉に自分の心境をつづった

手紙を送るが、返事がこなかったため直接彼女が経営するジュエリーショップを訪れた。

姉に会うことができたものの、ガラス越しに妹の優をみた姉は店の中へと逃げるように

入っていってしまう。

優は裏切られた気持ちでいっぱいになり、不能犯に依頼をする。

依頼を受けた不能犯は理沙の前に現れるが、理沙は車の事故に遭っただけで

死ぬことはなかった。

不能犯が目の前に現れたということで事故にあった理沙のもとに多田刑事とその部下は駆け付ける。

その時にはすでに取り乱していた理沙だったが、多田刑事たちは

なぜ殺さなかったのかと疑問を抱く。

病院で数日間入院することになった理沙のもとへ昼食が婚約者である医者と看護師が運んでくる。

看護師の名札から名前をみたことで看護師のことを婚約者がほめていたことを思い出した理沙は、

食事を運んできた看護師を婚約者がほめていたと伝える。

婚約者は照れ臭かったのか「理沙、やめてくれ」といって病室を二人は出て行った。

一人になった理沙はテーブルに置かれた食事に手を付ける。

食べ始めてすぐに不能犯が言った言葉を思い出し(あなたの身近な人があなたの死を望んでいるという言葉)、

その瞬間食べ物が毒物に見えて理沙は激しく嘔吐、食事を思い切りひっくり返し、ナースコールをする。

慌てて駆け込んできた婚約者と看護師に毒が入っていたと怒鳴り散らした理沙はみんな出てけと入ってきたものを

外へ出してしまう。

病室から出ていく二人の背をみた理沙は、婚約者が看護師の腰に手を回しているように見え、

婚約者が看護師とできていて、自分を毒殺しようとしたとさえ思いこんでしまう。

婚約者に殺される前に殺さなければならないと

思い込んだ理沙が婚約者を刃物で切り付けて殺すのはあっという間だった。

理沙は婚約者を殺した罪でつかまり、そのことが不能犯により依頼者優に伝えられる。

喜びに震える優だったが、不能犯は理沙が運転していた車のダッシュボードの中にあった

封筒はあなたの自宅に届けておきましたと意味深なことを残し、電話を切った。

自宅に戻った優は扉に立てかけられていた封筒を自宅で開けた。

その中には結婚式の招待状と、優にあてられた理沙からの手紙だった。

手紙にはジュエリーショップに現れた優から逃げてしまったことに対する謝罪と、

優が嫌ではなかったら今の仕事をやめて自分の経営する店で働いてほしいという

理沙からの誘いだった。

後悔に打ちひしがれた優は理沙の携帯にメッセージを残して首をくくり死んでしまう。

誰も救われないストーリー展開に萎える

優が理沙を恨んで不能犯に依頼するのはわかりますが、絶対何か裏があると思ったら

やはりな展開でものすごく萎えてしまいました。

だって誰も救われないから。

この後の展開は理沙が優が死んだことを警察で聞かされ、壊れていきます。

また、不能犯の仕業であることを刑事のえっぴたちが話していることから

知った理沙は精神鑑定の際に手錠を外されたことで花瓶を割って刃物の代わりにし、

えっぴの部下の首を斬りつけて「不能犯の場所へ連れていけ」とえっぴを脅します。

えっぴにしか不能犯は殺すことができないという事情を聴いていた理沙は、

えっぴを不能犯のもとへ案内させ、不能犯を殺すようにえっぴを脅しますが

えっぴはできません。

仕方なくというよりも最初からそうするつもりだったのか不能犯の目の前で

理沙は自分の喉元を思い切り切りつけ、刃物を不能犯に持たせて息絶える。

死ぬ寸前に「私をこいつが切り付けて殺したと証言して」といった理沙は

不能犯に殺されたとみせることで復讐を果たそうとしますが、えっぴは

嘘の証言をしなかったので本当に誰も救われない展開が起こります。

この後爆弾事件でラストをド派手にえっぴが解決したかのように見えて終わりますが、

結局不能犯を逮捕することもできず結果だけ見ると完全に警察側の敗北映画です。

なんだか解せない結果におわるためすっきりしたい人にはオススメできません。

全体的には面白いといえますが、やはり原作がまだ続いているとあって

結末を描くわけにはいかなかった様子。。。

あまり期待していくと肩透かしを食らうので

期待はそこそこに映画館へ足を運びましょう。
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