ジョーダンピール監督による長編作品第3弾『NOPE ノープ』。
『アス』や『ゲットアウト』もそうでしたが、ジョーダン・ピールの作品は考えさせられるものが多く、本作も人によって解釈が様々できそうな部分がありましたので、ネタバレ含む考察を記事にさせていただきました!
個人の1解釈が含まれる記事になりますのでご理解の上読んでいただければと思います…!
本記事では、
・『NOPE ノープ』結末(ラスト)はどうなったのか
・空に潜む怪物の正体と目的(考察)
以上について記載していきます。
目次
『NOPE ノープ』結末(ラスト)はどうなったのか
『NOPE』は、ごく簡単に説明してしまうと、空に潜む謎の生き物(?)により父親を殺された兄妹がその生き物の正体を動画におさめることで有名になれるとして奮闘するも、思いもよらぬ方向に物語が進んでいくといった映画になります。
ざっくりしすぎていて父親が殺されたのに兄妹の欲がすごいなとかいろいろつっこみたくなると思うのですが、一応本記事は考察メインのネタバレ記事なのでそのあたりは割愛させてください汗
結末としては空に潜む謎の生き物を兄妹が協力して写真に収めた上撃破することに成功するといった内容が描かれます。
結末に至るまでに個人的にいろいろとわからない点があったので、これ以降の段落で映画のパンフレットを元にした上で考察していきます。
空に潜む怪物の正体とその目的
まず空に潜む怪物とその正体についてですが、空に潜んでいたものは明確に何という断言がされません。
ただ主人公のOJは空に潜む怪物、円盤のような飛翔体をGジャンと呼称しました。
Gジャンとは劇中でOJの妹エメラルドが、牧場に数ある馬の中で子供のころに約束されたものの名前から取られています。
この馬は父親によって調教されてハリウッドに出されてしまったため未知のものになったのでそう呼称したのでしょう。
UFOという言葉や未確認生命体といった言葉も出てきますが、登場人物たちはGジャンをUFOであると断言はせず、結局何が何だか正体がわからないまま「それ」は爆散してしまいました。
何だったのかわからない上に目的も不明。
ただそれが行ったのは生き物(家畜や人)を吸い込んで食べてしまったということ。
どこからきたのかも明かされないため映画内で登場人物から「こうである」という明言は一切されませんでした(報道記者には未確認生命体と呼称されていましたが…)
未確認生命体は消費される存在であり、現代社会そのものの比喩?
管理人は頭の切れが悪すぎて頑張って考えてもそれの正体がわからなかったので、パンフレットを購入して読解させていただきました。
ただこの考察に関しては製作者サイドの意見ではなく、ライターさんによるものなので絶対にそうといいきれるものではないかもしれません。
そのあたりは念頭にいれつつ読んでいただけたら幸いです。
ライターである稲垣貴俊さんはパンフレットの中で、この未確認生命体は見世物=消費される存在のメタファーとして描かれていると述べています。
これは、あらゆるものを見世物として、自身の欲を発散するために消費する人間(たとえば動物園の動物から始まりブラックなところだと有名人の悪い噂や政治家の汚職などを報道するメディアなど)はUFOまでもその消費対象として見ているとのことからくる考察です。
ただの未確認生命体として描かれたのではなく、人間が消費対象として見ている「見世物」が、それの正体であるということですね…なるほど難しい。
映画で描かれたのは消費対象の反乱?
この考察をもとに本作を見直してみると、この映画自体が消費されているものが起こす反乱を描いていると考えられるのではないかと個人的には思いました。
メディアの記者である消費する側が本作ではぱくっと消費されている側のそれに食われているのもその比喩ですし、目をそらすことで捕食対象から外れるというのも、見世物としてそれをとらえていないからこそ助かるということにつながると考えられるからです。
最初はなぜそれをみなければ助かるのかよくわからなかったのですが、UFO=見世物としてとらえる人間が捕食対象であるのであれば、うなずけるのではないかと考え直させられました。
また、全く別物としてとらえられがちなチンパンジーの話も、見世物として消費されていたチンパンジーがある日突然キレて、自身を消費物としてとらえていた人間を殴り殺し、そうとらえていなかった子どもは殺さなかったと、この考察からとらえることもできるのではないかと思います。
つながりがないようであるというのが面白いところですが一回見ただけではちょっとわかりにくいですね…。
上記させていただいたパンフレットについての説明は現物とは違いがあるので、気になる方はぜひパンフレットを買って確認してくださいませ!
未確認生命体の目的
Gジャンの目的は最初から最後まで明かされないままでした。
どこからきたのかもわからないので確実にこうとはいえないですが、個人的に導けるのは単純に、「宇宙からやってきた何かが欲求を満たすために家畜や人を食べるために襲った」ということでしょうか…。
パンフレットを読んでいるとジョーダンピールが最初に描きたかったのは「恐ろしいUFO映画」といっているので、飛翔体の正体はUFOで侵略が目的としても問題なさそうな気もします(そんな簡単に解釈しちゃならないとは思いますが汗
正直目的に関しては全く触れられていないので不明というのが正しいところなのですが…飛翔体が行っていることを観る限りは、人や家畜を食べて腹を満たしたかった、縄張りから人を追い出したかったなどでしょうか…
あまりに安直すぎますが私にはこの程度のことしか考えられないのでご容赦ください(笑
非常に難解といいますか、私にはちょっとまだ早い映画だったかなぁといった印象の作品だったので、ぜひ気になる方はみてみてくださいね!!
また、こういう意見もあるぞー!という方はお問い合わせから教えていただきましたら幸いです。
あくまで個人的な考察も踏まえての記事ですので一意見としてとらえていただけたら幸いです!
番外編:冒頭に引用される旧聖書の意味
ちょっと番外編になりますが、『NOPEノープ』の冒頭では旧聖書ナホム書3章6節の「私は汚らわしものをあなたに投げかけ、あなたを辱め、見世物にする」という引用がされます。
冒頭からいったい何ごとぞ?と思ったものですが、映画を観てパンフレットを読んでよく考えたらなんとなく「消費されるものと消費するものの関係を描きたかったのかなぁ」ということはつかめました。
人は有名になりたいという自分の欲を満たすため誰かの醜態をさらし見世物にするという現代社会の闇のようなものをジョーダンピールは描きたかったのかもしれませんね…
『NOPE ノープ』予告動画+あらすじ
予告動画
あらすじ
「ゲット・アウト」「アス」で高い評価を受けるジョーダン・ピールの長編監督第3作。広大な田舎町の空に突如現れた不気味な飛行物体をめぐり、謎の解明のため動画撮影を試みる兄妹がたどる運命を描いた。
田舎町で広大な敷地の牧場を経営し、生計を立てているヘイウッド家。ある日、長男OJが家業をサボって町に繰り出す妹エメラルドにうんざりしていたところ、突然空から異物が降り注いでくる。その謎の現象が止んだかと思うと、直前まで会話していた父親が息絶えていた。長男は、父親の不可解な死の直前に、雲に覆われた巨大な飛行物体のようなものを目撃したことを妹に明かす。兄妹はその飛行物体の存在を収めた動画を撮影すればネットでバズるはずだと、飛行物体の撮影に挑むが、そんな彼らに想像を絶する事態が待ち受けていた。
「ゲット・アウト」でもピール監督とタッグを組んだダニエル・カルーヤが兄OJ、「ハスラーズ」のキキ・パーマーが妹エメラルドを演じるほか、「ミナリ」のスティーブン・ユァンが共演。
(引用元サイト様:映画.com)
キャストは誰? 配役についてまとめ
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以下、主要キャストについて記載します!
OJ・ヘイウッド:ダニエル・カルーヤ
エメラルド・ヘイウッド:キキ・パーマー
エンジェル・トーレス:ブランドン・ペレア
アントレス・ホレスト:マイケル・ウィンコット
リッキー・ジュープ・パク:スティーブン・ユァン
オーティス・ヘイウッド・シニア:キース・デビッド
豪華キャストが勢ぞろいしているので要チェック作品ですね!
まとめ
以上が映画『NOPE ノープ』について、空に潜むものの正体や目的について徹底ネタバレ、考察でした。
いかがだったでしょうか。
少しでも皆様のお役に立てるような情報が発信できていたら幸いです。
『NOPE ノープ』は『ゲットアウト』や『US(アス)』で知られる名監督「ジョーダン・ピール」による3作目の映画です。
ぜひ気になるなぁという方は鑑賞をご検討くださいませ。
映画自体はアスやゲットアウトと同様に人によってさまざまな解釈ができる、考えさせられる映画になっているので考察することが好きな方にはうってつけの映画です!
特にジョーダンピールの作品が好きな方は見逃し厳禁です…!!
VODで見るよりも劇場でみる方が迫力があり、より作品の世界観も楽しめると思いますのでぜひできる方は劇場でご覧になってください…!
ではでは、映画を観るぞー!という方も、いやぁやっぱり今はやめておこうかなぁという方も、良い映画ライフをお過ごしくださいませ。